不正プログラム対策モジュールには、不正プログラム、ウイルス、トロイの木馬、スパイウェアなどのファイルベースの脅威からリアルタイムに保護する機能と、必要に応じて保護する機能があります。脅威を特定するために、サーバにホストされている、またはアップデート可能なパターンとしてローカルに保管されている包括的な脅威データベースに対して、ファイルを照合します。また、圧縮や既知の攻撃コードなど、特定の特性がないかについても確認します。
不正プログラム対策では、 システムへの影響を最小限に抑えつつ、脅威を阻止して取り除く処理が実行されます。不正なファイルは、駆除、削除、または隔離できます。特定した脅威に関連付けられているプロセスを終了したり、他のシステムオブジェクトを削除することもできます。
不正プログラム対策は、次のものを含むすべての種類のファイルベースの脅威から保護します。
ウイルスは、正常なファイルに不正コードを挿入することによって感染します。通常は、感染したファイルを開くと不正なコードが自動的に実行され、他のファイルを感染させるだけでなく、ペイロードが配信されます。次に、一般的なウイルスをいくつか示します。
不正プログラム対策では、感染ファイルを特定して駆除するために、さまざまな技術を使用しています。最もよく行われる方法は、ファイルの感染に使用される実際の不正コードを検出し、感染ファイルからこのコードを取り除くことです。その他にも、感染する可能性のあるファイルへの変更を規制する方法や、不審な変更が適用される場合にファイルをバックアップする方法などがあります。
非感染型ウイルスは、他のファイルを感染させる能力を持たない不正ファイルのことです。これには次のタイプの不正プログラムを含む、さまざまなものがあります。
スパイウェア/グレーウェアは、別のシステムに送信するための情報や、別のアプリケーションで収集された情報を収集するアプリケーションおよびコンポーネントです。スパイウェア/グレーウェアの検出では、不正と思われる動作だけでなく、リモート監視のような合法的な目的に使用されるアプリケーションまで検出されることがあります。スパイウェア/グレーウェアアプリケーションの中で、既知の不正プログラムチャネルを通して配布されるものなど、もともと不正な性質を帯びているものは、一般にスパイウェア/グレーウェアではなく「トロイの木馬」として検出されます。
スパイウェア/グレーウェアアプリケーションは、通常、次のように分類されます。
スパイウェアのようなアプリケーションの中には、押しつけがましい動作を示すものの、不正ではないとみなされるものがあります。たとえば、市販のリモート制御および監視アプリケーションの中には、システムイベントを追跡および収集して、これらのイベントに関する情報を別のシステムに送信するものがあります。システム管理者などのユーザが自ら、これらの合法的なアプリケーションをインストールしている場合があります。これらのアプリケーションを「グレーウェア」と言います。
不正プログラム対策では、グレーウェアの不正使用を防止するためにグレーウェアを検出します。ただし、検出されたアプリケーションを「承認」して、実行を許可することができます。
パッカーは圧縮または暗号化された実行可能プログラムです。不正プログラムの作者は、検出を免れるために、既存の不正プログラムを何重にも圧縮または暗号化することがあります。<不正プログラムからの保護> は、実行可能ファイル内に不正プログラムに関連付けられた圧縮パターンがないか検索します。
不正プログラムの可能性があるとして検出されるファイルは、通常、未知の不正プログラムコンポーネントです。初期設定では、これらの検出結果がログに記録され、ファイルは分析用に匿名でトレンドマイクロに送信されます。
「その他の脅威」は、どのタイプにも分類されない不正プログラムなどです。このカテゴリには、偽の通知を表示したり、画面の動作を操作したりする、一般に実害のないジョークプログラムが含まれます。
Vulnerability ProtectionDeep Securityには、次の3種類の不正プログラム検索があります。
フル検索では、コンピュータ上のすべてのプロセスとファイルを対象にシステム検索が実行されます。フル検索は、予約タスクを作成することで決まった日時に実行するか、必要に応じて手動で実行できます。
クイック検索では、コンピュータの重大なシステム領域で、現在アクティブな脅威の検索のみが実行されます。クイック検索では、現在アクティブな不正プログラムが検索されますが、活動のない、または保存されている感染ファイルを検索するためにファイルが詳細に検索されることはありません。大容量のドライブでは、フル検索よりも短時間で終了します。クイック検索は、手動でのみ実行できます。予約タスクの一部としてクイック検索を予約することはできません。
リアルタイム検索は、実行中のプロセスやI/Oイベントの継続的な監視です。
コンピュータで不正プログラム対策機能を有効にするには、次の手順に従います。
不正プログラム検索の範囲は、[不正プログラム検索設定] で編集できます。[不正プログラム検索設定] では、検索の対象または対象外となるファイルやディレクトリ、またコンピュータで不正プログラムが検出された場合の処理 (駆除、隔離、削除など) を設定します。不正プログラム検索には、次の2種類の設定があります。
手動検索の設定と予約検索の設定は、フル検索が対象です。リアルタイム検索の設定は、リアルタイム検索が対象です。
Vulnerability ProtectionDeep Securityでは、不正プログラム検索の初期設定が検索の種類ごとに事前に設定されています。不正プログラム検索の初期設定は、Vulnerability ProtectionDeep Securityの事前に設定されたセキュリティポリシーで使用されます。
不正プログラム検索設定を変更するには、次の手順に従います。
次の表は、検索の種類ごとに、検索されるオブジェクトと検索の順序を示しています。
| 対象 | フル検索 | クイック検索 |
| ドライバ | 1 | 1 |
| トロイの木馬 | 2 | 2 |
| プロセスイメージ | 3 | 3 |
| メモリ | 4 | 4 |
| ブートセクタ | 5 | - |
| ファイル | 6 | 5 |
| スパイウェア | 7 | 6 |
スマートスキャンでは、トレンドマイクロのサーバに保存されている脅威シグネチャが参照されます。スマートスキャンを使用すると、まず、ローカルで保持しているパターンファイルにより検索が行われます。そこでファイルの危険性を評価できなかった場合は、ローカルのSmart Protection Serverに接続します。ローカルのSmart Protection Serverでも危険性を評価できなかった場合は、トレンドマイクロのGlobal Smart Protectionサービスに接続します。
スマートスキャンには、次の機能と利点があります。
スマートスキャンのオンとオフを切り替えるには、ポリシーまたはコンピュータエディタで、[不正プログラム対策]→[Smart Protection] に進みます。
Deep Securityでは、不正プログラムによる脅威の検出時に、保護対象の仮想マシンにNSXセキュリティタグを適用できます。NSXセキュリティタグをNSX Service Composerで使用することで、感染した仮想マシンの隔離など、特定のタスクを自動化することができます。NSXセキュリティタグとNSXセキュリティグループの割り当ての詳細については、VMware NSXのドキュメントを参照してください。
NSXセキュリティタグを適用するように、不正プログラム対策および侵入防御システム保護モジュールを設定できます。
NSXセキュリティタグを適用するように不正プログラム対策モジュールを設定するには、コンピュータまたはポリシーエディタで、[不正プログラム対策]→[詳細]→[NSXセキュリティのタグ付け] に移動します。
不正プログラム対策エンジンが試行した修復処理が失敗した場合に、NSXセキュリティタグの適用のみを行うように選択できます (実行される修復処理は、有効になっている不正プログラム検索設定によって異なります。どの不正プログラム検索設定が有効になっているかを確認するには、コンピュータエディタまたはポリシーエディタで、[不正プログラム対策]→[一般] タブに移動し、[リアルタイム検索]、[手動検索]、および [予約検索] の各エリアを確認します)。
後続の不正プログラム検索で不正プログラムが検出されない場合にセキュリティタグを削除するように選択することもできます。この設定は、すべての不正プログラム検索の種類が同じ場合にのみ使用してください。